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浴びすぎて
浴びすぎて
浴びすぎて
ふやけてしまいそうになる。
あまりのうるささに
香杞の眉がピクッと
またピクッと動いた。
声がでかい。うるさい。
しかし…今まで静かに
相手の話しだけ聞いていたが
なんで自分せいに
なっているのだろうか?
どちらかというと
この人が信号無視の
スピード出しすぎの
交通違反オンパレードで
起こした事だというのに。
「…ん?」
香杞はピンッときたように
首を傾げる。
そう、やっと気付いたのだ。
「私…全く悪くなくない?」
こっちが青信号だったのに
あっちのミスで引かれかけ、
謝られるどころか
逆ギレされ、怒鳴り散らされ
挙げ句の果てには遅刻決定。
考えれば考えるほど
眉間にシワが寄り、
段々と怒りがつのる。
香杞は少年を睨みつけた。
それに少年は感づいたのか
一層、鬼の形相が増し
「…良い度胸じゃねえか」
女性だというのに香杞の
胸倉をガシッと掴む。
その瞬間、
プチン
何か音をたて、切れた。
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