第1章 運命の出会い

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純二 「ほら、着いたよ」 そこは、もう間もなく陽が沈もうとしていた海岸であった。 なおみ 「わぁ~海。夕陽がきれい。浜に出ていい?」 純二 「ああ。ここに来た事、みんなには内緒だよ」 なおみ 「うん。潮風が気持ちいいっ。竹本さんの言う通りね、もう平気よ」 純二 「そう、よかった」 なおみ 「ありがとう」 純二 「いやー」 純二は照れて頭をかく。それをなおみが見逃さなかった。 なおみ 「うふふふ、かわいい、テレてる」 そう言ってなおみは、浜辺を走り出す。 純二 「調子に乗って大人をからかうんじゃない!コラッ、待て~!」 純二が叫びながらなおみを追い掛ける。 なおみ 「悔しかったら捕まえてみなさいよ」 純二 「よ~し、待ってろよ。捕まえるのは俺の仕事だからな」 純二はなおみを捕まえようと、なおみは純二に捕まるまいと必死出ある。 が、しかし、あっさり捕まってしまう。 純二 「ほら、捕まえた」 なおみ 「はぁはぁ、やっぱり鍛えてる人は違うなぁ」 純二 「そうだよ、いつも犯人捕まえるのに走ってるからね」 純二は、なおみを後ろから抱きしめ、耳元で囁く。自分でも気がつかないうちに、なおみの事を好きになりかけていた。 純二 「…彼氏いないって言ったよな。俺が君の彼氏に立候補してもいいかい?」 なおみは純二の言葉に驚いて振り向く。 なおみ 「えっ?本気なの?」 純二は自分が言った言葉に自分で驚き、慌てて言い訳をする。 純二 「…じょ、冗談だよ。1週間前に会ったばかりなのに、そんな気あると思う?」 なおみ 「からかったのね!女心をもてあそんで、気を持たせようなんて!最低!」 純二 「さっきかわいいって言った仕返しだよ」 と、子供っぽく、あかんベーをしながら言った。 なおみ 「もう!知らないっ」 なおみとしては彼氏に立候補すると言われて嬉しかったのに、それを冗談にされてしまって、残念がった。そして、女心を弄んだことを怒っていた。 純二 「ごめん、悪かったよ。どうしたら許してくれる?」 なおみ 「そうね…今まで私が竹本さんに迷惑かけたこと、全部チャラにすること」 向こうが冗談ならこっちも、という感じで、ふざけたことを言う。
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