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なおみは藤本に一礼をして、純二と孝行と一緒に部屋を出ていった。
3人は港署隣のサンレモンという喫茶店へ行った。この喫茶店は、なおみの通学路からちょっと脇に入った大通りにある。なおみたちもよく利用している。
店内は明るく結構流行っている。純二たちは窓側の席に座った。
純二
「何にする?ご馳走するよ」
孝行
「わ~い、さすが純二さん」
なおみ
「孝行ったら」
純二
「孝行の事名前で呼ぶようにしたの?」
純二は、なおみが孝行の事を名前で呼ぶようにに気づき、なおみに確かめる。なおみはさっきの一係での事を話した。それに納得した純二は、改めて注文を聞く。
純二
「そうだよな。あっ何にする?」
孝行
「俺、チョコパフェ」
孝行は、純二が親戚だからと遠慮はしない。それを見兼ねたなおみが注意する。
なおみ
「孝行!ちょっとくらい遠慮しなさいよ」
純二
「ハハハ…いいんだよ。なおみちゃんは何にする?」
なおみ
「じゃぁ…私はフルーツパフェで」
なおみも純二の言葉に甘える。
純二
「俺はアイス」
孝行
「かっこつけちゃって」
純二
「俺はもう20歳なんだぞ。そんな幼稚な物が食べられると思ってるのか?」
なおみ
「竹本さん、20歳なの?」
純二の年齢が意外だったのになおみは驚く。もっと年上かと思っていたのだ。
年齢が久志と同じなのに気づいて、
なおみ
「久志お兄ちゃんと一緒なのね」
久志とは、孝行の兄の名前で、当然純二とも従兄弟同士である。
純二
「あれ?久志の事知ってるの?」
なおみ
「うん。昔、隣同士だったの」
なおみが小学1年生まで、孝行とは隣同士だった。
純二
「なんだ、そうなのか。孝行、おじさんたち、みんな元気か?しばらく行ってないからなぁ」
孝行
「純二さんの事親父たちに話したら、今度ゆっくり遊びにおいでってさ」
なおみが時計を見ると、喫茶店に入ってから1時間経っていた。
なおみ
「そろそろ帰らないと…竹本さんもお仕事の途中だし…」
孝行
「そうだな」
なおみ
「今日はごちそうさまでした」
純二
「いえいえ。孝行、ちゃんと送ってくんだぞ」
孝行
「はいはい、わかってますよ」
孝行に頼むのはいいが、襲いはしないかと内心心配している。
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