第1章 運命の出会い

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なおみ 「それじゃぁお仕事頑張ってね」 純二 「ああ、ありがとう」 しばらく後ろ姿を見送っていたが、ふと思い出したことがあった。明日はデートの約束の日、なおみの誕生日である。純二は慌ててなおみを呼び止めた。 純二 「明日の事なんだけど、9時頃迎えに行ってもいいかなぁ」 なおみ 「うん。本当にどこか連れてってくれるの?」 なおみは嬉しそうな顔をして、もう1度確認した。孝行はそんなうれしそうななおみの顔を見たのは初めてだった。孝行は仲のいい2人を見て嫉妬した。孝行もなおみの事を好意を持って見ていたのだ。 孝行 「なんだよ、2人でコソコソしちゃってさ。いつの間にそんなに仲良くなってたんだよ。この俺を差し置いて」 なおみ 「誕生日のプレゼントにデートしてって頼んだの」 なおみは満面の笑みで、嬉しそうに言った。 孝行 「なんだよそれ。誕生日っていつだよ」 なおみ 「明日」 孝行 「えー!?じゃぁ俺たちも何かしなきゃ」 なおみ 「いいわよ、そんなの。気持ちだけもらっとく。それじゃぁ竹本さん、明日ね」 純二 「ああ、気をつけて帰れよ」 なおみ 「は~い」 2人は純二に別れを告げ、夕焼けの中を帰って行った。 次の日、なおみは純二とのデートが嬉しくて上機嫌である。 英雄は不思議そうに良子に聞いた。 英雄 「今日はどうしたんだ?なおみのやつ」 良子 「今日は竹本さんとデートなんですって」 英雄 「竹本くんと?この間は西田くんだったな。なおみは一係の人に人気があるんだなぁ」 良子 「今度はなおみから誘ったそうよ」 英雄 「なにっ?なおみから?」 親心から、心配になって聞いてみる。 英雄 「なおみは竹本くんが好きなのか?」 なおみ 「そういう訳じゃないけど、竹本さんみたいな人と1度デートしてみたかっただけよ。ちょうど誕生日だしね。プレゼントにって」 そこへ純二が迎えに来た。 純二 「おはようございます」 なおみ 「あっ、来た。いってきます」 なおみが嬉しそうに純二を出迎え、挨拶を交わす。 なおみ 「おはよう、竹本さん」 英雄 「何か知らんがまた世話になるな。よろしく頼むよ。これは今日の経費だ。使ってくれ」 そう言って英雄が純二に2万円を差し出した。
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