第1章 運命の出会い

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階段を下りているなおみの手を掴む。 なおみ 「離して!送ってくれなくていい!一人で帰れるから」 純二 「ダメだよ、女の子の一人歩きは…。もう暗いんだし」 なおみを落ち着かせようと、自分の方に引き寄せたとき、純二はなおみの目から大粒の涙がこぼれるのを見た。 純二 「なおみちゃん…」 なおみ 「いいの!私の事なんて放っといてよ!」 なおみは純二の手を振りほどいて階段を下りようとした。 しかし、純二が再びなおみの腕を掴み、きつく抱きしめて言った。 純二 「放っとけないよ。気になるんだ。…心配なんだ、君の事が」 なおみ 「えっ?」 純二 「いや、そのー、そう、署長の大事な娘さんだからね。送るよ」 なおみ 「う、うん」 自分が純二の彼女になりたいと言ったにも関わらず、冗談にしたため純二が怒った、と言うことは、純二は自分に好意を持っているのでは?と、なおみは気にしていた。でも純二もまた、なおみと同じような事を思っていた。 その事をずっと考えていたため、道中2人はなにも話さなかった。 なおみの家の前…。 なおみ 「どうもありがとう」 純二 「いや…、それじゃ」 なおみは純二とこのまま別れたくなかった。このままだと完全に嫌われると思い、謝ろうと思った。 なおみ 「あっ、あのー、さっきはごめんなさい」 深々と頭を下げた。 純二 「なおみちゃん…。俺の方こそごめん。(小声で)君の言った事が図星だったから、それを否定しようとしてカッとなって…」 なおみ 「えっ?今何て言ったの?」 純二 「い、いや、なんでもない。さぁお父さんが心配してるといけないから」 なおみ 「うん。ただいま」 良子 「おかえり。遅かったのね。夕飯は?」 なおみ 「竹本さんの家でカレーを作って食べた」 純二 「遅くまですみませんでした」 良子 「こちらこそありがとうございました。よかったら上がってお茶でも…」 純二 「ありがとうございます。でも、今日はここで失礼します」 なおみ 「私、そこまで送ってくる」 なおみは公園の入口まで純二を送った。 純二 「ここでいいよ。じゃ、おやすみ。カレー美味しかったよ。また作ってくれよな」 なおみ 「うん。今日はありがとう」
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