第1章 運命の出会い

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英雄 「じゃぁお先に失礼するよ」 孝行 「あっ、おじさん、僕も帰りますから、一緒に…」 みんな 「お疲れ様でした」 片付けが終わった頃、ようやくなおみが目を覚ました。 なおみ 「んん~~あ、私寝ちゃってたんだ。あれ?パパは?」 なおみは、辺りを見回し、英雄を探した。 塚本 「先に帰っちゃったよ」 なおみ 「ええっ、どうしよう。置いて行かれちゃったんだ」 純二 「大丈夫。僕が送って行くことになってるんだ」 と、横から純二がなだめた。 純二 「僕じゃ役不足かな?」 なおみ 「うう~ん、そんな事ない。お願いします」 純二 「じゃぁ帰ろうか」 なおみ 「はい」 純二 「それじゃお先に失礼します」 なおみ 「またね~」 二人並んで歩きはじめた。 なおみが男性と歩くのは、西田とのデート以来であった。 なおみは性格上、人に迷惑かけるのが嫌いである。今回の事も、前回(引ったくり)の事も気にしている。 なおみ 「すみません、迷惑かけちゃって…」 なおみがうつむき加減で言った。 純二 「いいよ、そんな事」 なおみ 「でも…二度目だし…」 純二 「気にしてないよ」 なおみ 「ほんとに?」 ちらっと純二の顔を見る。 純二 「ああ。それより君の家はどう行くのかな?」 なおみ 「このまま真っすぐ行って、弥生公園の近く。公園を横切ると近道なんだけど…」 純二 「じゃ、そうしよう」 なおみ 「でも…」 純二 「どうしたの?」 この公園は、待ち合わせの場所になるデートスポットであった。 夜になるとカップルがどこからともなく集まってきて、ベンチなどに腰掛け、イチャイチャしている。 そして今日もいつものように… 純二 「なんだ。それならこっちも…」 そう言って純二はなおみの肩を抱いた。 なおみ 「あっ…」 なおみは驚いて純二の顔をじっと見ていた。 純二 「ん?どうしたの?俺の顔に何か付いてる?」 純二が不思議そうになおみの顔を見る。なおみはショックを受けたように言った。 なおみ 「男の人って知らない女の子にもそんな事するんだ。私、こんな事されたの初めてで…」 純二 「えっ!?孝行はボーイフレンドじゃないの?」
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