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なおみ
「竹本くんとは単なる友達です。私、彼氏といえるような人、今までになくて…」
純二
「そうなの。こんなにかわいいのに」
純二はなおみにはもう既に彼氏がいると思っていた。西田からは、学校では人気者と聞いていたし。
なおみ
「ありがとう。そういってくれるの竹本さんだけだよ。私、嬉しいっ」
純二
「いや~、孝行と同級生というと16歳か」
なおみ
「まだ15よ。今度の日曜日で16になるの」
と、何気なく言った。
純二
「じゃぁもうすぐじゃないか。何か欲しい物ある?何でも欲しいものプレゼントするよ」
なおみ
「そんなぁ、私、2度も竹本さんに迷惑かけてるのに、そんな事してもらったら…」
なおみは少し期待しながら言った。
純二
「いいよ、そんな事。クッキーだってご馳走になったし。それより何が欲しい?」
なおみ
「クッキーは引ったくりのお礼よ。…でも、本当にいいの?」
純二
「ああ」
純二は微笑んで言った。
なおみは少し考えて、チャンス!と思って恥ずかしいけど思い切って言った。
なおみ
「じゃぁ、今度の日曜日、私とデートしてくれる?」
純二
「そんな事でいいの?」
なおみ
「私ね、彼氏いないって言ったでしょ。だからそういう風に見える人とデートしたくて。竹本さんは私の理想にピッタリだし…あっ迷惑ならいいの。無理にとは言わないから」
純二
「いいよ。どこにでも好きな所に連れてってやるよ」
なおみ
「ほんと?ほんとにいいの?」
純二
「ああ」
なおみ
「わぁっ、うれしいっ!ありがとう」
なおみは飛び上がって喜んだ。
なおみの家の前では、英雄が心配そうになおみの帰りを待っていた。
なおみ
「あっパパだ。ただいま」
英雄
「遅かったなぁ」
なおみ
「ごめんなさい」
英雄
「竹本くん、ありがとう」
純二
「いえ」
なおみ
「どうもありがとう」
純二
「じゃぁまたな」
なおみ
「うん。おやすみなさい」
純二は暗い夜道を一人帰っていった。なおみはそれをいつまでも見送っていた。
英雄
「なおみ、すっかり竹本くんと仲良くなったんだな」
なおみ
「うん。竹本さんと一緒にいると、とっても楽しいの」
英雄
「そうか」
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