29人が本棚に入れています
本棚に追加
その2、3日後の夕方、なおみが通っている学校の近くで事件が発生した。
塚本
「待てー!」
西田
「塚本さん、この学校、なおみちゃんたちの学校です」
塚本
「なに!?残ってる生徒を避難させろ!」
岩崎
「はいっ!」
岩崎は職員室に向かい、校長に訳を話した。
校長は急いで校内放送で、残っている生徒に避難を呼び掛けた。
その放送をなおみとこずえは、下駄箱で聞いていた。
こずえ
「なんだろう、なんかあったのかなぁ」
なおみ
「避難訓練?まさかね」
こずえ
「あっ、忘れ物しちゃった。ここで待ってて」
なおみ
「もう!そそっかしいんだからぁ。早く行っておいで」
こずえ
「ごめんね」
しばらく待っていると、犯人が校舎に入ってきた。
なおみが足音に気づき振り向こうとした時、犯人がなおみを羽交い締めにした。
なおみ
「キャーッ!」
西田
「あっ、あれはなおみちゃんの声…」
西田がそう叫んだ時、犯人となおみが建物から出てきた。
犯人
「動くな!動くとこいつの命はないぞ!車を用意しろ!」
なおみ
「ダメだよ、言うこと聞いちゃ」
犯人
「うるさい!」
犯人はなおみの頭を拳銃で殴った。なおみはそのまま気絶して倒れ込んでしまった。
西田
「なおみちゃん!」
西田が心配そうに叫ぶ。
その時、純二の怒りが最高に達し、危険を承知で飛び出していった。
塚本
「やめろ!竹本!」
塚本が純二を止めたが、純二はなおみを助け
たい一心で、塚本の言葉など聞かずに飛び出していった。
「ドキューン」
純二の撃った銃弾は、犯人の、拳銃を持った手に、見事に当たった。
岩崎
「強盗及び殺人未遂で逮捕する!」
純二がなおみに駆け寄り抱きかかえる。
純二
「なおみちゃん!なおみちゃん!しっかりしろ!なおみちゃん!」
なおみ
「う、うん、あっ、痛たた。あっ竹本さん。私…」
純二
「もう大丈夫だよ。犯人捕まえたから」
なおみ
「こ、怖かったぁ…」
なおみは恐怖から震えていた。
純二
「もう大丈夫だから、落ち着いて」
純二がなおみを落ち着かせるために抱きしめると、なおみもゆっくりと落ち着きを取り戻していく。
西田
「しかし、さっきの竹本はカッコよかったなぁ」
最初のコメントを投稿しよう!