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「ルフィ!…」
「大丈夫、そんな顔するなってエース」
例え一時でも離れたくはないと思ったのにもうその手を離さなくてはならない、それがルフィの為と分かっていても共に行く者を睨みつけずにはおれない
「ジンベイ…弟になんかあったら只ではすまないからな」
「わかっとるよ、エースさん」
気まずそうに視線を逸らすジンベイが困ったように頭を掻くと
「エース、お前はもういいかげんルフィを離せよぃ」
マルコが俺の背後からがっしりと掴みかかってきた
「なにすんだ、マルコ!」
「うるせぇぃ、早く行け弟」
じたばたと足掻く俺を尻目にルフィを顎で促すと
「おっおう」
少し唖然とした顔で立ちつくしていたルフィは気を取り直したように船へと飛び乗った
「ルフィ!」
「んじゃ、行ってくるよエース」
その言葉を合図に見る見る遠ざかって行く船
「ああぁぁ」
「ったく、おーじょーぎわの悪い奴め」
「……」
ごちりと頭を叩くマルコを恨めしく睨め付けると
「一旦納得したなら、じたばたするんじゃねぇよぃ」
あきれ顔で更に一つ頭を叩かれた
「ちっ…くそパイナップルめ」
「ほぉ~、まあいい、弟が帰ってきたらそんな事言ってる暇がないくらいしごいてやるよぃ」
「おれはともかくルフィは程々にしてやってくれ…」
にやりと笑うマルコにえもいわれぬ不気味さを覚えながらも、幼き頃の様に共にあれるであろう時間に胸を躍らせるのであった
早く返ってこいルフィ…
続く
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