55人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
小さな村の端に木で造られた古い家があった。
「行ってきまーす！」
「行ってらっしゃい。気をつけてね」
そこから、まだ10代前半と思われる少年が勢いよく飛び出した。
その少年は、家の中から聞こえる声を聞く前に駆け出し、村を飛び出していった。
この村では毎日の光景だ。
あの少年のように駆けている者。
農作業に励む者。
朝飯を食べている者。
まだ寝ている者。
ここまではいつもと変わらなかった。
ここまでは。
最初のコメントを投稿しよう！