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草むらから飛び出し、龍の親子の方に突っ込むと、ハイエナ達がこちらに気付き、飛び掛かってきた。
俺はギリギリまで惹き付けて、少し実験的に細工した弾を放った。
結果は成功。
弾をうけたハイエナは、当たった所から火が付き、そのまま毛皮に着火、呻き声をあげながら燃えた。
細工の正体は油と火の粉を弾にコーティングし、簡易的な属性弾を作ったのだ。
ただ、エアガン本体の強化をまだちゃんとやってなく、思い付きだったから、壊れないか心配だ。
ハイエナは、仲間が黒焦げになったのを見て怖くなったのか、皆尻尾を巻いて逃げて行った。
案外簡単に終わってくれた初めての異世界での戦闘に、俺は心底安堵した。
龍の近くに行くと、チビは軽傷でまだ治せる。
しかし、親の方は……
「やっぱり間に合わなかったか‥‥」
既に生き絶えていた。
そこに残っていたのは、俺と既に生き絶えた親の龍、そして頼るあてがなくなったチビだけだった。
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