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俺は、寂しそうに鳴くチビに近付き、そっと抱き寄せた。
最初はいきなり抱き寄せた俺にびっくりしていたが、何もしないと伝えるように撫でてあげると、大人しくなった。
「‥‥キュ~‥」
やはり親が死んでしまって寂しいのだろうか、鳴き声は弱々しかった。
「‥‥大丈夫だ。お前の親は死んじまったけど、代わりに俺が面倒みてやる。
お前は一人じゃないからな」
そう呼び掛けてやると、理解したらしく、おれに抱き付いた。
その後、軽い応急措置をしておいた。
軽傷だし、すぐ良くなるだろう。
次に、このチビの親をどうやって弔ってやるかを考えた。
このままここに放置するわけにはいかない。かといって、こんな何も無い草原に墓を作るのもあまりに可哀想だ。
とりあえず考えた結果、ここ以外の場所に墓を建てることにした。
そして、問題は運ぶ方法だが、ある物を作って運ぶことにした。
「さてっと、いっちょ集中して作りますか!」
そして、チビから少し離れ、生産の為の想像に身を任せた。
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