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そんな経歴がある麻酔薬の霧が晴れて数分、辺りには誰一人起きている者はいなかった。
「さて、そろそろ中にお邪魔するとしますか。
ギン、そのガスマスク外していいぞ。ついでにここで留守番してて」
「キュ~!」
ギンから了解の返事を貰い、俺は用意してあったバックを取り出した。
それを背負って、蓮は念のためガスマスクを着けたまま外へのドアを開けた。
カツンッ、カツンッ、カツ‥‥ドスン!
「グエッ、zzz……」
ドアから伸びた梯子から飛び降りた拍子に兵士を一人踏んづけてしまったが、起きることはなかった。
(まさか踏まれても起きないなんて‥‥)
正に麻酔薬万歳だ。
それはともかく、一番近い扉を見つけた蓮は、中にいる兵士に警戒しながら慎重に中に入ることにした。
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