2059人が本棚に入れています
本棚に追加
/173ページ
「スーー……スーー……」
微かにだけど、寝息が聞こえるし、時々僅かに動いていた。
「とても綺麗……。ちっちゃいから子供なのかな……。
何の種族なんだろう?」
そう呟いてその生き物に触れようと手を伸ばしたその時だった。
……キュロロロロ…ブオオオオン!!
「……キャッ!何!?」
突然、何かが回る音と共に、隣の部屋からそれ以上に大きな、吠えるような音が部屋の中に響いた。
咄嗟に隣に向かって魔力探知をしたら、大きさはそのままで、動いている感じがした。
「何なのこの部屋………。
私、どうなっちゃうの……?」
段々怖くなっていたら、さっき触ろうとした生き物が起きた。
「………え?ドラゴン?」
触ろうとした生き物は、ドラゴンの子供だった。
「「……………」」
しばらくお互いに見つめあった後、ドラゴンの子供が寝ていたところから起き上がって、
「キュ~!キュ~!」
奥の方にあったドアの1つに向かって鳴き始めた。
最初のコメントを投稿しよう!