第2の仕事~王女帰宅計画~

8/44
前へ
/173ページ
次へ
見たこともない乗り物を暫く見つめていると、その下からカチャカチャと物音が聞こえた。 気になってその下を覗こうとした瞬間…… カチャカチャ……キュィィーー! 「わ!……キャ……」 いきなり聞こえた高い音にびっくりして、そのまましりもちをついてしまった。 「イタタタ……何なの?」 少しすると、カラカラという音と共に、彼が音のした所から出てきた。 「アッチャ~ここ来ちゃったか。ゴメンね気付かなくて。 もうちょい待っててね」 そう言い残すと、彼はまた戻っていった。 言われた通りに。その場で座って待っていると、今度こそ彼が出てきた。 「ゴメンね待たせて。 そういえば、服は大丈夫?さすがに何日も着てるだろうから匂うだろうし………」 出てきて早々、彼は私の服の心配をしてくれた。 「う~ん。ちょっと大きいサイズだけど、貸してあげようか? 俺は平気だし」 「え……いいのですか? まだ会って1日も経っていない私なんかに服なんて…」 「ん?大丈夫だよ。 じゃあ……ええと、名前は?」 「あ……ティアです。ティア・メシル・アルバント」 「了解。じゃあティア、少し待っててね」 そう言って彼はその乗り物の中に入った。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2059人が本棚に入れています
本棚に追加