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見たこともない乗り物を暫く見つめていると、その下からカチャカチャと物音が聞こえた。
気になってその下を覗こうとした瞬間……
カチャカチャ……キュィィーー!
「わ!……キャ……」
いきなり聞こえた高い音にびっくりして、そのまましりもちをついてしまった。
「イタタタ……何なの?」
少しすると、カラカラという音と共に、彼が音のした所から出てきた。
「アッチャ~ここ来ちゃったか。ゴメンね気付かなくて。
もうちょい待っててね」
そう言い残すと、彼はまた戻っていった。
言われた通りに。その場で座って待っていると、今度こそ彼が出てきた。
「ゴメンね待たせて。
そういえば、服は大丈夫?さすがに何日も着てるだろうから匂うだろうし………」
出てきて早々、彼は私の服の心配をしてくれた。
「う~ん。ちょっと大きいサイズだけど、貸してあげようか?
俺は平気だし」
「え……いいのですか?
まだ会って1日も経っていない私なんかに服なんて…」
「ん?大丈夫だよ。
じゃあ……ええと、名前は?」
「あ……ティアです。ティア・メシル・アルバント」
「了解。じゃあティア、少し待っててね」
そう言って彼はその乗り物の中に入った。
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