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どうやら猫少女は僕達のことを敵と認識したらしい。
距離にして約30m。じりじりと距離をつめてくる猫少女。後ずさる僕達。
「ニャー!!」
僕達は全速力で元来た道を駆け抜けた。だが同時に猫も跳ぶように走り出した。
廊下は走っちゃダメとか、夜の学校に侵入しちゃう僕達には関係無いのだ。
曲がり角を戻って数秒のうちに猫少女は曲がり角に差し掛かった。
「は、速い!?」
やはり猫だからか。
「く、くそ! 追い付かれる!」
「そんなときこそこれの出番よ」
神方は持っていたライク・ア・エクスカリバールを――
「当たれぇ!」
「投げた!?」
鈍器ではなく投擲武器だった。見事に回転しながら猫少女目掛けて飛んでいった――
「ニャア!!」
しかし、猫少女はそれを猫自慢の鋭い爪で引っ掻いた――
いや、『切り裂いた』
カランカランとエクスカリバールのようなものだったものが廊下に転がった。
嘘だろおい……木の枝じゃあるまいし……
「さすがにやばいわね」
「生きて帰られるのかな? ははは……」
僕は苦笑いを見せる。
猫少女は再びじりじりと間合いをつめる。廊下の真ん中で対峙する形となった。
「どうするんだ? 教室も開いてないぞ?」
「まだ方法はあるわ」
動揺を隠せない僕とは違って落ち着きを見せる神方。そして廊下に設置されている消火器を手にとった。
「くらいなさい!」
消火器の粉が猫少女に向けて噴射された。
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