神方ナギの冒険

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ふぅと一息。 あぁ……せっかくの静かな昼休みが台無しだ。 僕がいつもここで昼ご飯を食べていると神方に知られた以上、きっとこれからここで一人になれる機会はグッと減るだろう。 せめてものの、神方がコロッケパンを食べている間に最後の静かな青空を眺めておこう。 「ほうあ。ひはほひふん、ほんははひへふ?」 「食いながら喋んな!」 頬に食べ物が詰まっていてハムスターのようだ。せっかくの美人が残念なことになっている。 そんなハムスター神方は口の中のものを一気に流し込んだ。 どんだけ喋りたいんだお前は…… 「白鳥君、今夜、空いてる?」 「今夜? まぁ空いてるっちゃ空いてるけど……どうしてだ?」 「学校を探索しない?」 「は?」 唐突すぎて思わずオウム返ししてしまった。 学校探索? まぁ僕もこの学校について詳しくないので学校探索については別にかまわないのだが…… 「学校を探索しない?」 「いや、聞き逃したんじゃないよ。なんでわざわざ夜にやるのかがわからないんだ」 「肝試しもかねてよ。面白そうじゃない?」 「季節外れだなぁ」 4月の中旬ですよ今。 「じゃあ今夜、10時に校門の前でね」 「待て、行くとは一言も言ってないぞ?」 「あら、怖いの?」 からかうように笑う神方。 「怖くない」 夜の校舎だろうが、所詮校舎だ。お化けとか、そんなもんいるわけがない。 「じゃあ決まりね」 うまく言いくるめられて、強制的に肝試し兼学校探索に参加させられることになった。
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