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神方の目から「何言ってんのお前?」的な視線が伝わった。
「まだ学校探索してないじゃない?」
なるほど。それは確かに、まだ学校探索はしていないわな。
僕も負けじと「何言ってんのお前?」的な視線を送ってみる。
しらとりのにらみつける、だ。
「それにあの先生、面白そうな予感がする」
かみがたにはこうかがないようだ。
「いやいや、次見つかったらアウトだろ? それにあの人は怪しいだけの人だと思うけどな」
「でも――」
そういって神方は聞く耳持たずといった風にとある方向を指した。
「幸い先生扉を開けっ放しにしてくれたわ。もうこれは入って来なさいと言っているようなものよ?」
九十九先生が入っていった扉が風に揺られて、まるで手招きしているようだった。
「罠だ! 絶対罠だ!」
「怖いの?」
「得体の知ってるものがいる分怖いな」
少なくとも処罰は確定だろうな。
「じゃあ行くわよ。人生何事もスリル・ショック・サスペンスよ」
「嫌だよそんなパラパラ踊ってそうな人生」
某少年探偵アニメのOPよろしく。
「きっと中で事件が起こるわ」
「起こらない起こらない」
「被害者は白鳥君よ」
「僕か!?」
「第1発見者は私」
「うん」
「容疑者は九十九先生」
「ほう」
「犯人は白鳥君よ」
「ただの事故じゃないか!」
人騒がせな!
九十九先生もとんだとばっちりだよ全く!
「次の日の新聞の見出しはこうね『男子高校生、全身黒タイツで変死!!』」
「犯人=全身黒タイツじゃないからな!?」
「え? 違うの?」
「違う!」
「と、いうわけで校舎に入ったわ白鳥君」
「え!? いつの間に!?」
気づいたら校舎の中に入っていた。
ツッコミに夢中で気がつかなかったわ。
何と言う誘導。やるなぁ神方。
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