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◇4◇
夜の校舎。
普段は生徒達が行き交う廊下も夜の校舎では静寂を保っている。
まるで別の場所かのようだった。
「ねぇ白鳥君、これからどこに行く? 音楽室? 美術室? あ、私達の教室とかもいいわね」
「デートの行き先決めるかのように言うなよ」
「じゃあ夜の保健室? それとも夜の更衣室?」
「事態は不健全な方向へ!?」
わざわざ『夜の』をつける辺りそれっぽい。僕達はまだアンダー18だからね。
まぁこんな感じで学校を回っているわけだが、もちろんただの学校なわけで――
「う~ん。やっぱり悪霊とかもいなさそうね」
と、神方は退屈そうに呟いた。
「そこらへんにいてもらっても困るけどな」
「悪霊さ~ん! 出ておいで~?」
神方はその細い体のどこから出したかわからないライク・ア・エクスカリバールを子供が探検する時に携帯する木の枝のような感覚で振り回しながら言った。
『出ておいで~?』より『出て来いや!!』がよく似合う。
僕達は結局しばらく廊下を歩くことにした。
まぁ、何も変わったことはない、普通の夜の校舎だったが。
「廊下は異常無しね。次はどこに行く?」
「どこに行っても一緒だと思うがな」
そのまま曲がり角に差し掛かろうとした時だった。
「ニャ~オ……」
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