「彼方を救ってあげる」

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「彼方を救ってあげる」 目の前に現れたのは夢か幻か。 見知らぬ女の子が立っていた。 「俺を本当に救えるのか。」 「彼方しだい。」 終わりは始まり。 始まりは永遠に。 二人の舞踊(踊り)を始めましょう。 覚めない夢の始まり。 夢の中でしか会えない操り人形(マリオネット) せめて現実で踊らせて。 俺は入りたくもない全寮制高等学校に入学させられ、 毎日窮屈に暮らしていた。 スポーツ万能、頭脳明晰。 友達も多く、はたから見えれば楽しく学園生活を送っているように見えるだろう。 しかし心にぽっかりと穴が空いている。 誰にも埋められない穴。 5年前に失った彼女の存在が心に大きな傷跡を残しているのだった。 あの事件がなかったらこんなことにならなかったのに―――。
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