6人が本棚に入れています
本棚に追加
4つの人影が草原を駆けていた。
皆、歳は16。
中肉中背で黒髪、眼鏡を掛けた少年が一人。
同じく中肉中背で明るい金髪の少年が一人。
黒髪の少年の横に、少年の胸辺りまでしか身長がないロングの黒髪の小柄な少女が。
金髪の少年の横には少年達より少し背が低い程度の短い茶髪をツインでまとめた少女が並んで走っていた。
「伊織、来たぜ!」
叫んだのは金髪の少年。
「ふむ、んじゃ、やるとしますか」
答えたのは黒髪の少年。
彼等は草原で遊んでいたわけではない。
黒髪の少年、伊織が走るのをやめるのと同時に金髪の少年も、少女二人も走るのを止めた。
そして空を切り裂くような咆哮が四人の耳を貫いたかと思うと、その四人の前に空からソレは襲来した。
伝説上の生物である翼龍ワイバーンを模したような生物だ。
体は土気色、四足歩行の蜥蜴を思わせるフォルム。
その背中には最大の特徴である二枚の翼が四人の行く手を塞ぐように広がっている。
「んじゃ、俺と和花(のどか)で先行、後詰めは任せる、頼むよ、ルクス、セティア」
「おうよ!」
「まっかせっなさい!」
最初のコメントを投稿しよう!