ヒーロー

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反重力?反物質? 何だかよく分からないモノで浮かび上がる時の気分は、嫌いじゃない 無骨な羽じゃなければ、天使にでもなった気分になる 《太平洋上は悪天候の所があるから気をつけろ》 いちいちうるさい。嵐や雷なんかで壊れる仕様なら、あたしは飛び込んでやるよ 誰も居ないのを良い事に、宇宙人に八つ当たり あたしの声が全て宇宙人に聞こえるんだ。ユージとエロトークすら出来ねぇじゃん 乙女の恥じらいってもんに少しは考慮しろよな? 一緒に冬を迎えられるか、全く分かんないんだ 思い出…。作りたいじゃん 5秒で1万メートル上空に上がって、10分でマンハッタンに着く 人間が仕掛けたとは思えない、奇妙な意味不明物質を掴んで宇宙空間に放り投げる きっと死ぬまであたしの人生はこんなんなんだ 《ユーコ。助かったよ》 宇宙人の分際であたしの名前を呼ぶんじゃねぇよ 所要時間30分。これだけの為に、あたしとユージの時間はなくなったんだ 《ユーコ。泣いてるのか?》 泣く訳ないじゃん ちょっと自分が情けなくなっただけだよ
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