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結局
9月のあたし達は、すれ違ったまま過ぎていった
《ユーコ。最近、敵の活動が激しいぞ。心してかかれよ》
何だよ敵って。アニメの世界に来てるみたいだ
アキバ系のオタク彼氏でも見つけたら、超大切にされそうじゃん
僕の彼女はマッハ8で飛べるんです!
なんてね。ユージじゃなきゃ意味ないんだけどね?
「ユージは今日もバイト?」
「多分。店長から呼び出しありそう。ユーコは?」
切ないね
「あたしも」
空が9月よりも更に高くなって。ユージと最近、手を繋いでないなぁ。なんて、あたしとユージの間に流れる乾いた秋風が距離を広げる
ユージの考えてる事、もう全く分かんない
でも、あたしからは絶対別れ話なんてしてやんないんだから
《ユーコ。これからゴビ砂漠に飛んでくれ。流星群に似せたミサイルが降ってくる》
あたしが壊したいのは、ミサイルじゃなくてユージとあたしの仲を遠ざけるモン全てだよ。ホント。世界の平和なんて、どうだって良い
むしろ、世界滅亡した方がユージと一緒に居られる気がする
「じゃ。あたし、そろそろ行くね?」
ホント。切ないじゃん
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