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目覚ましが鳴る。鳴り響く。 「……」 主がどれほど狸寝入りを決め込んだ所で目覚ましは決して容赦はしない。さらに鳴り響く。 「あー…わーったよ起きますよ…!」 男は目覚ましを叩く。 訪れる沈黙。 今度は沈黙に耐え兼ねた男―『烏崎 光(うざき みつる)』はその体を起こす。 そしていつも通りの一日が始まる。 なんの刺激も無く味気ない、ただ過ぎて行く灰色の一日が始まる。 「はぁ~…眠い」 この朝の一言もどれだけ使い古したかわからない。
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