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・・・・・・。
俺は気づくと,路地裏のようなところに倒れていた。
とりあえず,俺は声のする大通りに出ようとした。
声のする大通りに近づくにつれ,着物を着た商人達が走り回っていた。
そのうちの一人が俺に気づいた。
「そちは何者?」と誰が尋ねてきた。
俺の周りにはあっという間に人だかりができていた。
そして,そのうちにゴロツキのようなタチの悪そうな奴がやって来て,ニヤつきながら,俺の胸倉を掴んできた。
いつの間にかゴロツキ共に囲まれてしまった。
ふぅ~・・・
ひぃ,ふぅ,みぃ・・・・計五人。
相手の武器は,腰にある二本の刀。
もし彼らの刀が俺の時代のものだったら・・・俺は即死だろう。
でもここは”過去”だ。
少しでも相手を切り付けたなら,焼失するようなオプションはついてないだろう・・・。
俺の時代は戦争とか紛争が沢山あったから,武力の発達は凄まじかった。
おっとそんなことを回顧している場合じゃないな。
ゴロツキの一人が口を開いた。
「随分と風変わりな格好してるなぁ・・・。見かけねぇ顔だな。お前さん,金になるようないいもん持ってるじゃないか?すべて置いていったら命だけは助けてやるよ・・・」
俺は腰ホルダーから銃をとりだした。
そして胸倉を掴んでるゴロツキの眉間に銃口を突き付けた。
ゴロツキはまだニヤついている。
俺は黙って引き金をひいた・・・。
乾いた破裂音が辺りに響いた。
もちろん俺はゴロツキに”死”を与えた。
残りの四人が俺から距離をとった。
俺は地面に目を見開いたまま倒れている屍の腰から刀を抜いた。
そして低く押し殺した声で,殺気を込め・・・
「来るなら来い・・・。容赦はしない。」
と呟いた。
もちろん生半可なゴロツキ共は逃げていった。
しかしそれは俺の言葉を聞いたからではなかった。
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