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「マリーじゃないわ。私の本名は……」
本名で呼んでほしいと彼に源氏名ではなく、ありのままの自分を知ってほしいと思い告げる。
真っ昼間の会議室で、下着姿の女を前にして、朝霞はうろたえている。私は構わず、朝霞の胸に身を投げた。
「こんな格好、他の誰にも見せたことないわ」
見上げると、朝霞の瞳が揺れていた。
「あなたが好きよ……」
いつからこんなに、この人のことを好きになっていたのだろう。はっきりわからないけれど、でも今の私の本心だった。
想いのすべてを込めて見つめる私の瞳を、朝霞も見つめ返す。そして、ゆっくりと唇が重ねられた。舌が絡まり合い、私の頭の中が甘く痺れていく。
感極まって、朝霞は私の本名を呼んで会議用の長机に押し倒した。素肌の背中に固く冷たい机を感じながら、熱い口づけが続く。
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