ぼくとツトム君

繰り上がりの足し算ができるようになった。

先生はたくさんほめてくれた。

勉強は大好きだった。みんなみたいに難しい勉強はできないけと゛。

ぼくは体育が苦手だった。

特になわとび…

どうしてもタイミングがつかめない。

なわとび持ったまま、飛び方がわからずみんなの前でオイオイ泣いた。

だから体育は嫌い。

運動会はもっときらい！
一日中体育だから。

全校の生徒が集まるから人が多すぎて、どこへ行ったらいいかわからない。運動場の中で迷子になる。先生に手を引いてもらわないと、いつまでも迷子のままだ。

だから運動会は大嫌い。

かけっこだっていつもビリ。

みんなと同じように走れない。

だけど、走ることはきらいじゃなかった。

風を切って走る…なんだか気持ちがいい

ぼくは、気がついた、毎年かけっこはビリだったけど、毎年少しずつ速くなってたんだ。

だって､小学校一年の時は、みんなよりトラック半分も開いていたのに、六年生になると、ビリから二番目の子に、手を伸ばせば届くくらいしか開いてなかった。

ぼくは走る事が好きになった。