ぼくとツトム君

7/11
前へ
/12ページ
次へ
三年生最後の秋の運動会が近づいてきた。 あれからぼくは走ること一生懸命練習したんだ。 今年こそビリにならない。 クラスごとの練習が放課後行われていた。 でもぼくはいつも独りで練習したんだ。 すると、練習するぼくの前にツトム君が走ってきたんだ。 ツトム君はにっこり笑って、 「いっしょに走ろう!」 と言ってくれたんだ。 あの日から、ツトム君はぼくに優しくなったんだ。 何かあるたび、ぼくの面倒をみてくれるようになってた。 何かにつけて、ぼくを庇ってくれるんだ。 どうしてかな? ツトム君、走るのめちゃくちゃ速い! ついていけないぼくに、手の振り方、足のあげ方なんか親切に教えてくれたんだ。 それから毎日、ぼくは放課後ツトム君と走るようになった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

96人が本棚に入れています
本棚に追加