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「……あら、昏倒させちゃっいました?」
「梓兄ぃ、大丈夫!?」
応戦するために構えていた彼は倒れたまま動かなくなった男を見て、目を丸くする。だが次には、面白いものでも見たかのように目を細めたのだった。
* * *
これが神崎ゆうと沖田総司の出会いである。
時は幕末、(西暦1863年)
文久三年の出来事であった。そして時同じくして、見知らぬ地へと足を踏み入れた青年がいたのだが、彼女が知る由もなく――幾つもの信念が渦巻く動乱へと足を踏み入れた二人の現代人の物語がこうして始まったのである。
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