花信風を告げる人

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   迷いなく振り降ろされた一太刀。  応戦の構えをしていた沖田でさえ、ただの子供だと思っていた変化に目を見張った。  一瞬だけ研ぎすまされた気を放ったのだ。  ――見た目では判断できないとはこういう者のことをいうのだろう。 「……ところでいつまで私の後を付いて来るつもりですか?」  出会いは、気分が優れないのを介抱したに過ぎないのが、あの騒動を起こした輩を捕縛し、後始末をしている間も離れず、そして今も付いて来ている。  
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