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何か思惑があるのでは、と沖田が勘ぐってしまうのも無理もない。
だが、子供――ゆうはそんな沖田の思惑など気づくこともなく、きょとんと目を瞬かせた。
「……どこって。……えっと、まず。ここはどこ?」
「――はい?」
本気で言っているのだろうか。
沖田は呆気にとられる。だが、子供は本気なようで言葉を重ねた。
「そう、そうなの! 梓兄ぃ! 気がついたらここにいて、何にも覚えてなくって! そういえば、どうして梓兄ぃはここに? あれから何があったの!?」
「あ、あの。ちょっと待ってください……」
詰め寄る子供に、反対に質問を返されてどう応えたらいいのかわからない。
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