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瞬間、子供が大きく目を見開き、唇を噛みしめて俯いてしまった。
賑やかな通りの声が聞こえるが二人だけが沈黙し、なんだか奇妙な空間が生まれる。
言いたいことは告げた。なら立ち去ればいいのだが、子供がじっと俯いたまま動こうとしないので、沖田は少々、困ったなという表情で子供を見やる。
子供の発言から察するに迷子のようである。
奉行所に連れていった方がいいだろうか、と沖田が思案しているときだった。
ふいに子供が、ぽつりと言葉を零した。
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