百絡の来訪者

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  「…………はい?」  意味わかんない。  間の抜けた声を出し、怪訝を隠すことなくゆうは首を傾げる。  唐突な出来事に驚くより呆れて眉間に皺が寄った。  現在、ゆうがいる場所を端的に例えるなら、映画村だ。  江戸時代の町並みというか、踏み固められた土と背の低い家。てか、平屋だっけ?  一階立ての家々が一直線に連なり、着物姿の人々が往来している。  賑わいだ光景に穏やかな雑踏。  時代劇のワンシーンにゆうは、エキストラでもなったのかと呆然としたまま、立ち尽くしているとどんっと肩がぶつかった。  
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