希代縁の結び目

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   不思議そうに覗き見る沖田に「いえ、なんでもないです……」と誤魔化し笑いを浮かべた。  ――ここが京都だとしたら……いや、そんなわけがない。  ゆうは首を振って、思い浮かんだ事柄を否定する。  だが、思い知ったはずだった。  見知った“地”にいないこと。現代ではない場所にいることを。  だけど、だからといって、気持ちがついていくわけがないのだ。  ――過去にいるだなんて。  
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