希代縁の結び目

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   まさか、そんなわけがない。とゆうは否定を繰り返す。  だけれども、一度辿り着いてしまった思考は真実味を帯びてしまい、打ち消すには証拠がなければ納得できそうにない。  ……現代から何年、遡った京都だというのだろうか。 「……ええと、すみません。……今って何年でしたっけ?」  ごくり、と唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた。  手に汗が張り付いているのか、やけに湿っぽく感じて気持ち悪い。  じりじりとした衝動が苦しくて仕方がない。  
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