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「ちょいと、往来で立ち止まらんといてな」
「あ、すみません」
邪魔や、という男に咄嗟に謝ったのだが彼はもう彼女のことなど忘れさったかのように、商売へと精を出し始めた。
肩に担いだ棒。前後へと伸びるソレには籠がぶら下げられており、忙しそうに声を張り上げて去く彼を見て、ゆうは目を輝かせた。
関西弁だった! てか、エキストラなのに話してていいの!? と僅かに高揚で頬を赤らめる。
しかしながら改めて周囲を窺うとあちらこちらで聞きなれない日本語が! いや、関西弁なんだけど。
女性は上品に髪を結い上げていて、男性は前髪がない! 生ちょんまげ初めて見た! とゆうは好奇心丸だしで視線を忙しなく動かし、
「……て、ちゃうやん自分!」
ある程度満足してから、つっこんだ。
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