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「転けないでくださいね」
「はい。絶対、転びません!」
屋内で待たせていたゆうに盆を託し、沖田は土間から床へ上がるため、履物を脱ぐ。そして、先導するために歩み出した。
不慣れなのだろう。
真剣に盆に注意を払うゆうを見て、沖田はくすりと笑う。
――気付いただろうか。いや、きっと気付いたのだろう。
鋭い人であるから沖田が示唆したいことはわかっただろうが――見かけによらず、優しい人だから。
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