百絡の来訪者

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   優しく促される手。  背をさするその手に合わせて、呼吸を繰り返していると次第と落ち着いてきた。  点滅していた視界がやがてクリアになっていき、ゆうはやっと息をついた。 「……すみません、ありがとうございま――て! 梓兄ぃ!?」 「はい?」  僅かに笑みを浮かべ、礼を述べようとしたゆうだったが驚きに目を見開いた。  長い髪を高い位置で結い上げているが、柔和で優しげな顔立ちを見忘れるわけがない。  
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