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「…あんた、男苦手なの??」
突然、授業中に佐野くんにそう聞かれた。
「え??」
「さっきの校内案内嫌がってたし、それに今だってこんなにも離れてるし」
今のあたしと佐野くんと机の間は10センチぐらいある。
そして、その間にあたしの教科書がある。
「そういう訳では…」
「じゃあ、何で離れる訳??」
「クラスの女子を敵に回したくないの」
さっきからずっと女子から睨まれてる。
「敵に回すって俺、変な事した??」
「自分のルックス鏡で見たことないの??」
「は…??何で??」
「佐野くんは並外れた顔してんだよ」
「…そうなの??」
この人、鈍感??
「あんた下の名前は??」
「…愛花ですけど」
「俺の事、呼び捨てでいいから」
「…え??」
「山里!!」
先生の声がして前を見る。
「は、はい!!」
「この問2解いてみろ」
「あ…はい」
そう言って立ち上がった。
えっと…
「x=96??」
「ハズレ。ちゃんと、説明聞けよ」
「…はい」
はぁ…。
ため息をついて座る。
「…じゃあ、佐野解いてみろ」
「x=24」
「おっ正解だ」
すごーい。
周りの女子のハートがさっきより凄い事に。
「佐野くん、凄いね」
そう言って笑いかけると
「…」
フイッと佐野くんはそっぽ向いた。
む、無視ですか!?
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