1052人が本棚に入れています
本棚に追加
お菊姉さんは、はっと息を飲んだ。
「…朱里……………貴女の、ご両親を私は知っている」
彼女は涙ながらにそう告げた。
「…………え?」
一瞬、意味がわからなかった。
父と母は、死んだ。
死んだはずなのだ。
あれから、14年。
もし生きているなら、もうすぐ50歳になる頃だろうか。
「もしかしてという思いがあって、私もここに来たんどす」
彼女は涙を袖で拭った。
「貴女のご両親は、私の義理の親でありーーーーーーー」
最初のコメントを投稿しよう!