―遊びゴコロ―

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『ねー、好き』 『ん、ありがと』 『付き合ってよ先輩~』 電話越しに聞こえる声。 こんな会話いつまで続くんだ、と少々嫌気がさしてきていた。 『何度も言うけど、  付き合う気ないから』 『俺のこと好きなくせに(^^)おーねーがーい~!』 この男、あたしより 1つ年下のくせに生意気 ばかり言ってくる。 『大体、この前の彼女とはどーなったわけ?』 名前は『弘貴-ヒロキ-』 『えー、別れた。振られた(笑)』 『ふーん(笑)かわいそうに』 『そう思うなら付き合ってよ~』 こいつは、まだ高2のくせに女の入れ替わりが激しい。 そして、一時期付き合っていたあたしに別れてすぐ連絡してきて早々、この態度だ。 『今度は大事にすっから、ね?』 『ぜったいイヤ。』 一時期付き合っていた と言ってもヤツとは遠距離で、メールや電話のやりとりのみの関係だった。実際会ったことはなかったし、まあ会いにいく気も更々なかったが。 ましてや出会いはここ。 『ほんっと、睦月のこと大事する。すげー好きなの。だからお願いっ!』 『あんなことばっかされて信じるわけないでしょ(笑)』 『次は絶対しないからー!』 ‘あんなこと’ そう、ヤツは遠距離なのを良いことに地元でも何人かと浮気をしていた。 それが証明されたのは、ヤツ自身が更新しているプロフィールサイトだった。 いかにも『彼女です』 って女の子からの書き込みを発見し、問い詰めたところ分かった事実だった。 詮索しなければ良かった、と思いつつもヤツの浮気癖に嫌気がさしていたあたしはそれを理由にヤツと縁を切った、つもりだったんだが。 『いい加減にしてよ、もう電話切るから。』 『あ、ちょっ…――』 メアドも付き合っていた時と同じメアド、番号も知られてたから嫌がらせのように頻繁にケータイが鳴って、それに耐えきれず出てしまった電話。 甘い自分に後悔しながらも、ヤツの言葉もろくに聞かないまま、あたしは勢いよく電話を切った。
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