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「…ごめんね…龍牙…」
一人の女性が、すやすやと気持ち良さそうに寝ている五才位の子供の傍(かた)わらに立ち 頭を撫でながら 語り掛けていた。
゛カチャッ゛
涙を拭きながら 振り返ると 長身の男が 優しい微笑みを浮かべながら 女性と子供に 近付いて来た。
「あなた……」
「大丈夫だ…龍牙には 俺が 付いている…それに 永遠の別れじゃないだろう?」
「ええ…でも…この子を置いて行くなんて…」
「心配するな…龍牙は、俺とお前の子だ。 十年後の再会を 楽しみにしていろ…」
「はい…( 龍牙…あなたを置いて行く母さんを 許して……) 」
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《んっ……夢か…… (母さんの夢って 久しぶりに見たな……
さて、朝食を作らなきゃな………。) 》
起き上がったのは、゛美形゛というよりは 可愛い感じの幼さを残す 170cm位の少年だ。
先(ま)ず 目を引くのは 少年の髪の色だろう…
少年の髪の色は 綺麗な銀色をしていた……
朝日が反射する その髪は キラキラとして とても 幻想的でさえあった。
染めている訳ではなく 地毛なのだが
幼い頃は、随分(ずいぶん)とイジめられたが その幼い風貌(ふうぼう)と人懐(ひとなつ)っこい微笑みで 町の女性陣に可愛いがられているのだ…
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