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~ジャスティ・トウガ~
「おらきりきり歩け~」
ドカッ!
「うぎゃああああああっっっっ!!!」
私の中の英雄のイメージが音をたてて崩れてゆく。品行方正、慈悲深く、誰からも尊敬される。そんなイメージはミリも感じない。大体連行するのに一々蹴り飛ばす必要性が感じられない。歩かせればいいじゃないか。
「はぁ……」
「アンタも大変だな。あんな上司を持って」
神者にまで同情される始末だ。
「黙って歩け。口を開…く……な?おい、なんで口の中が光ってるんだお前?」
「へ?」
当の神者も知らなかったみたいで自分で自分の顔を確認しようとしていた。手を後ろ手に縛られているので無理に決まってるのだが。
「おいトウガ~~ちょっとこっち来いよ。なんかコイツの顔が光り出したぞ。お迎え来るほど強くした覚えはないんだけどな~~」
ジャスティの方でも同様の事態が、いや周り全ての神者の顔が口の辺りを中心に光り始めていた。
「これは一体………お前はそこにいろ。ジャスティ様!!」
トウガは神者を縛っていた縄から手を離すとジャスティの方に駆けてゆく。
流石英雄と言うべきか、さっきのちゃらんぽらんな空気を消し辺りを見ていたジャスティ。
「魔力?遠隔操作系か?なにを………」
「ジャスティ様、これは………」
トウガの言葉の途中で辺りが光に包まれる。
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