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「研究者の甘い言葉にまんまと騙された小さな子供は言われた通りにみんなに渡しました。もう大喜びです。これでみんな幸せになれると無邪気に笑っていました」
「まぁ嘘見抜け無いのが悪いってもお子様だからなぁ」
「………問題なく魔法は発動しました。その魔法は人に危害を加える為の魔法だったのです。小さな子供も含めてその子の知り合いはみんな死んでしまいました。死んでしまったと思っていました。テンプレな展開です」
「お前ってそういう事言うキャラだったっけか?」
「たまにはな。生き残った小さな子供は勿論復讐に出ます。研究者の左腕を吹き飛ばし左目の視力も奪いました。左半身には生涯消えない火傷の痕が残りました」
「おぃ、その研究者ってまさか……」
「でもそこまででした。力尽きた小さな子供は逃げました。今では何処にいるのかも判りません。復讐の機会を窺っているのか、野垂れ死んでしまったのかも判りません」
「………」
「さて、生き延びた研究者は当然身を隠します。その手に彼だけが使える魔法を携えて………問題、彼は何処にいるでしょうか?魔法とはどういったものだったのでしょうか?」
「俺アジトに帰ったらとりあえずあいつシメるわ。子供に手を出しちゃいかんだろ」
「………魔法は遠隔操作により発動する魔法でした。核となるコアを母体に同時期に、それも任意のタイミングで起爆することができる。正しく人に危害しか与えられない様なとても危険な魔法でした」
アルスは球体を力強く握ると魔力を籠め始める。
「起爆って………まさかあの儀式って!!!?おいアル…」
「死に絶えろ。罪深き反逆者共よ」
ザラの言葉を最後まで聞かずに更に力を籠めると水晶体が輝きを増す。
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