逃亡

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 しかし、徐庶には一つ心残りがある。故郷に残した母親のことであった。徐庶は重度の難産であり、母は徐庶を生む際に病(今で言う妊娠中毒症)に罹り、生死の狭間をさまよった。徐庶が無事に産まれる確立は1割にも満たず、無理して産もうとすれば母のみにも危険が及び、最悪の場合両者が死んでしまう可能性もあった。 しかし母は徐庶を産む決断をした。己の命など勘定に入れていなかったのである。その結果徐庶は無事生まれた。 だが、母は病を患い常人の半分も生きられない身となってしまった。
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