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二人は渋々承諾しくじ引きで部長を決めることとなる。
紗夜がいらないプリントを使いくじを作る。
「よし、出来たから引いて」
それを合図に全員が一枚ずつ引く。
最後に残ったのが紗夜の分だ。
「二重丸が部長、丸が副部長でなんにも書いてないのはハズレだからね」
四人は紗夜の言葉に頷きくじを開く。
「副部長だ~」
陽菜がくじをひらひらとさせながら複雑な顔をする。
「騒がないって事は杉田君はハズレね。部長はどっち?」
紗夜はどんよりとした空気を纏う大輝を確認してから視線を美桜と拓海に移す。
「は……はい。僕です」
恐る恐る手を挙げる拓海。
「荻原君、頑張ってね~」
美桜がぱちぱちと拍手する。
「いやいや、部長なんて僕には無理だよ」
手をぶんぶんと振る。
そんな手を陽菜がパシッっと掴み拓海の目を見つめる。
「それじゃあ、私の副部長と交換してください。拓海くんの言うこと何でも聞きますから~」
最後には綺麗に土下座を決める。
「いや……、あの……」
戸惑う拓海。
女の子に縁の薄かったので手を握られたこともなければもちろん土下座なんかされたことない。
「分かった、分かったから土下座止めてよ」
女の子に土下座させていると悪い事してる気分になってきたので慌てて止めさせる。
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