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「本当?つまり私が部長?」
拓海がこくこくと頷くと陽菜はパアッと笑顔になり拓海に抱き着く。
「ヤッター、部長だ~。拓海くんありがとう」
「わっ、えっ、ちょっと」
拓海は顔を真っ赤にして動かなくなる。
「……そんなに部長になりたかったんだ」
呆れたように呟く紗夜。
「もちろん、やるなら部長だよ。部作りたかったのも半分は部長になりたかったからだし」
「半分もそんな理由かよ」
拓海に抱き着いたまま笑顔でいる陽菜に思わず突っ込む。
「ぶ~、だって中学の時の部活はあんた馬鹿だから無理って言うんだよ。部長やりたかったのに~」
頬を膨らませぶーぶー言っている陽菜を見て納得だよと思う紗夜。
「それより荻原君をそろそろ離した方がいいと思うよ……」
美桜の忠告に拓海を見てみると頭から煙りが出ても可笑しくないくらい顔が真っ赤だ。
「わっ、大丈夫?」
慌てて離れる陽菜。
「……はっ。大丈夫だよ」
意識が戻り頭を二、三回振る拓海。
「それじゃあ、心配だけど部長が陽菜で副部長が荻原君ね。美衣はちゃんと荻原君の言うこと聞くのよ」
「はーい……てなんか可笑しくない?」
「おかしくないから大丈夫。それに荻原君の言うことはなんでも聞くんでしょ?」
申請書に書き込みながら紗夜が言う。
「……はい」
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