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「紗夜ちゃん、部をつくろう」
バン と机を叩きながら元気よく言う少女。
「えっと……はい?いきなりどうしたの川島さん」
叩かれた机の持ち主である笠岡紗夜(カサオカ サヤ)は戸惑いつつ聞き返す。
「だからね紗夜ちゃん、部をつくろうって言ってるの」
もう一度机を叩きながら言う川島陽菜(カワシマ ヒナ)。
周りの視線が集まるが一切気にしていないようだ。
「入学初日から何言ってるのよ……。あと目立つから机叩かないで……」
半ば呆れ気味に頭に手をやりながら言う。
なんか頭痛がする。
「いや、せっかく高校生になれたからなんかしたいなーって。友達じゃん一緒につくろ」
そんなのお構いなしに抱き着いてくる陽菜。
「友達って今日出会ったばっかりじゃないの」
抱き着いてきた陽菜を振りほどきながら呟くように言う。
「大丈夫。友達になるのに時間など関係ないのだ。一日でも一年でも友達は友達だよ。だから苗字じゃなくて陽菜って呼んでね」
「はいはい陽菜。それは良いとして何の部をつくる気なの?」
このままじゃ話が進みそうにないので適当に流し話を進めさせる。
一応話しは聞いてあげるところは律儀である。
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