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「ここにいるの?」
音楽室の扉で止まった大輝に陽菜が尋ねる。
「ああ、多分ここにいるはず。お前達は何もしなくていいからな。失礼します」
大輝はノックをしてから音楽室の中へ入っていく。
残りの四人も大輝について入っていく。
「あら、いらっしゃい。合唱部への入部希望者かしら」
そこにいたのはものすごく綺麗な先生がいた。年齢は20代後半くらいか。
「いえ、あの早乙女先生にお願いがあってきました。僕達の部活の顧問をやってください」
大輝がいつもとはまったく違う丁寧な言葉遣いで言い頭を下げる。
「……ごめんなさいね。私は合唱部の顧問だし掛け持ちも校則上出来ないことはないんだけど……私は無理かな。本当ごめんなさいね」
普通ならここで諦めて退いてしまうだろうが大輝は違う。
「そうですか。先生そこをこれでどうにか」
大輝が紙袋を渡す。中身は例の物だ。
早乙女先生は首を傾げながら紙袋を開ける。
そして中身を確認した瞬間身体が硬直した。
「……貴方。ど、ど、どうして私がこ、これが好きだと?」
かなり動揺している早乙女先生。
「それは秘密です。で、顧問してくれますか?」
もはや大輝が悪魔にみえる四人。
「……わかった。わかったからこの事は絶対内緒にして。このことは言葉遣いや服装にも気をつけて誰にもばれないように隠してきたんだから」
大輝が笑顔で頷く。
こうして顧問が決まった。
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