炭酸と寿司

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首を真横に向けて、目の前の景色を見る。別に屋上への道のりにあった物を覚えてるわけじゃないが、何かわかると思ってやってみた。 だけど、何もわからない。 「んー…………まぁ、いっか」 もう一口メロンソーダを飲んだ俺は少しうなってから、先に進むことにした。 違和感がまだ残っているが、間違っていたら戻れば済む話だ。 「…にしても、ホントに薄気味悪いな。……感心しちゃう☆」 窓は汚れで半透明になってて、廊下とか埃やゴミまみれ。汚いねー、なんて思ってるとふいに視界に入った、とある部屋。 札のかけられていない無名の部屋に俺は目がいってしまった。 その部屋のドアだけ周りより綺麗で、誰かの足跡が廊下についている。 「なんか面白そう」 結構、好奇心旺盛な俺はその妙に怪しい部屋が気になる。ただの物置なら別にいいが、それ以上に面白いことがあるなら…? メロンソーダにキャップをして、俺はドアノブに手を近づける。この胸のドキドキ感が、堪らなく楽しい。 俺の手がドアノブに触れる―――瞬間、脳裏に喜色が浮かぶ。 「………屋上行くか…」 その部屋を諦めた俺は、メロンソーダを飲むと、再び進み始める。そして、オカリナを吹くあのタヌキのような化け物の歌を歌う。 忍び寄る影に気づかずに。 「獲物はっけーん☆…」
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